書籍化した小説家になろう(web小説)系作品のレビューblog

小説家になろうやカクヨム経由で書籍化した作品のレビューを書くblogです。主に購入した書籍の中でも気に入った作品を紹介しています。たまに、書籍化していない小説家になろう作品も紹介します。

2017年11月

異世界国家アルキマイラ ―最弱の王と無双の軍勢―

 
VRMMOが実用化した近未来、主人公はとあるゲームをプレイ中、突如としてゲームによく似た世界に転移させられてしまう。

そのゲームとは『国家運営系戦略SLG』であり、人間の王が『魔物の国民』を率いているというコンセプトがあった。

唐突に自我を持ったNPCの魔物達。
彼らは異世界の脅威などものともしない、絶大な戦闘力を有していた。
しかし一方で、彼らを従える主人公は、戦闘力が皆無な『最弱の王』だったのだ。

これはゴブリンにすら勝てない最弱の主人公が、軍事大国の独裁者として魔物達を従え、時に苦悩し、時にやらかし、時に少女らを助けながら、異世界を生き抜いていく物語。
〝最弱の王と無双の軍勢〟による――異世界譚である。 
ネットゲームで最強の国を作り上げ、そして、異世界に転移する話です。
やや勘違いしながらも部下が主人公に心酔する設定などはオーバーロードに似ていますが、アインズ・ウール・ゴウン様と違い、主人公は戦う力を持ちません。

その弱さは、モブ敵に殺されるほどです。また反乱という設定も面白く、非力な主人公が強力な部下に嫌われないように内心はビクビク、表面上は王としてふさわしい振る舞いをします。このギャップ……いや苦悩が、この作品の良いポイントです。
また人の心を失っていないため、理想と現実に翻弄される主人公に共感でき感情移入しやすいのも個人的にはポイントが高いです。

ポイントもガツガツと稼いでいるみたいですし、書籍化待った無しの良作です。

フレイム王国興亡記

通勤途上で買ったコーヒー片手に、気付いたら異世界トリップしていました。 『えっと……私、別に勇者でもなんでもないんですけど……』  ただのリーマンだった主人公、『松代浩太』がトリップした先は中世ヨーロッパ『風』の異世界! 魔王は不在、悪の帝国は開店休業、宇宙の法則を乱す憎いアンチクショウはモノガタリの中の人。そんな平和な大陸、『オルケナ大陸』で、浩太に忍び寄る魔の手……そう、赤字国債! 暴落する株価、通貨崩壊と共に起こる債務不履行の嵐、デリバティブの失敗に、保守本流の元老・元勲達による狡いイヤガラセ、さらには飢饉や戦争まで。魔王以上の強敵に、持ち前の知恵と勇気で立ち向かえ、浩太!
魔法はなく、剣で戦うこともない。そんな異世界に召喚され、美女と一緒に経済を立て直すお話です。 主人公は銀行マンということもあり、金融系の知識を活用して活躍するので、小説を読んでいたらいつのまにか金融の知識が少しだけ身についたりします。

もちろん小説を読んで手に入る知識など小さいものですが、興味を持つきっかけにはなるかなと思います。

異世界コンサル株式会社

「もう、冒険者やめた方がいいんじゃないですか。」

解雇からはじまる、駆け出し冒険者支援の物語。
チートなし。地味な展開がつづきます。

最初は個人でコンサル。後で事業家として支援していきます。
新規事業を立ち上げる際は、いろいろなトラブルが発生します。予想できることから、予想だにしなかったことまで。
そんな新規事業にまつわるトラブルを小説という形で、読者にわかりやすく伝えるのがこの作品。

ファンタジー世界を舞台にしたケーススタディだと思って読むと、現実の仕事でも活用できそうな話が結構ありますよ。

獣医さんのお仕事in異世界

小説版

コミック版
主人公の青年・風見心悟は、家畜保健衛生所に勤務する、いわゆる公務員獣医師。風見はある日突然、異世界に召喚され、彼を召喚した王子様から、この世界の人々を救ってほしいと頼まれる。そこは、魔法あり・魔物ありのファンタジー世界。文明も医学も未発達なため、疫病や災害で多くの命が失われている。……救える命を守らずして何が獣医だろうか。どことなく頼りなさげな風見だが、異世界の実情を知り、できる限りのことをしようと心に誓う――。シリアスあり、ほのぼのありの大人気小説、待望のコミカライズ!!
著者が獣医で、主人公も獣医。
異世界の病気を治療したり外科手術したりと、獣医の設定を遺憾なく発揮して主人公は活躍します。
さらに著者が獣医ということで、ファンタジー要素を入れつつもリアリティがあります。

獣医さんがどういった気持ちで患者と接しているのか、この小説を読んでいると分かるかもしれません。

異世界薬局

小説版

コミック版
研究一筋だった日本の若き薬学者は、過労死をして中世ヨーロッパ風異世界に転生してしまう。
高名な宮廷薬師を父に持つ十歳の薬師見習いの少年として転生した彼は、疾患透視能力、物質創造と物質消去能力などの人外のスキルを得ていた。
そこは怪しげな医療行為が行われ、庶民には効果のある薬が手に入らない社会。
彼はときの皇帝に認められ、街の一角に薬局を開く。
世に蔓延るまやかしを払拭し、現代薬学に根差した真に効果のある薬を、庶民の手に届けるために。
これは、創薬チートの薬師の少年が前世の現代薬学知識を駆使し、異世界人を助けながら、今度は頑張りすぎず新たな人生を送る物語。
医療関係者、専門家などのチェックが入っている、異色の作品。
無垢な少年少女が小説を読んで医学関係を目指す。
そんな作品になりそうだなと思いました。

神秘を探すことに生涯をかけ、何も見つけられずに人生を終えた男。最後の最後に念願が叶って転生を果たした異世界は、何もかもが未発達な原始時代だった。

魔法、魔術。
それを一から作り上げた男の物語。
久々に本を読んでうるっときたのが、この作品。
原始時代へと人外転生(ドラゴン)した主人公が、魔法の原理を解き明かしながら、文明を築き上げていくストーリーです。

寿命が大きく違う2つの種族の間に訪れる、出会いと別れ。それを魔法でなんとかしようとする主人公達。

魔法と文明の発展、そして恋バナに興味がある方にオススメできます!
ちなみにこの作品は、小説家になろうではなくカクヨムで連載されています。

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