いつ、どんな形で死んだかは分からない。
食べ物にも困る限界村落に転生した少年ツナ。ゲーム的システムはありつつも、現代知識の通用しない現実を前に、彼は希望の見えない人生を生きていた。
記憶にある豊穣の国は幻だったのか……全てを諦めかけた時、ある街の噂を聞く。
『迷宮都市』――ありとあらゆる願いが叶う街。
少年は同じく日本からの転生者ユキと共に、やがて無限へと至る試練へと導かれていく。
amazon内容紹介
前世の記憶を持っている人は少し珍しい程度の異世界で、極限のサバイバル生活を生き抜いてきたツナと魂は女性、体は男性とフタンタジー的な性同一性障害を抱えているユキ(ト)が出会うところからストーリーが進みだします。

文明的な生活がしたい、性転換したいといった夢を実現するために迷宮都市で冒険者として活躍するのが大筋の流れです。

迷宮都市の外と内では生活レベルが大きく違う(ソマリアと日本ぐらいのギャップ)ため、それらに関する解説が多くストーリーの進み具合は遅めです。

しかも良いところで次巻に続く!という形で終わるので1巻だけだと消化不良になります。
その分、設定が練りこまれているとも言えるんですが、ここは好みが分かれそうです。

またレベル、職業、スキルがあり迷宮内に限り死に戻りも可能といったゲームに近い設定がありますが、
  • スキルを覚えるのに年単位の訓練が必要
  • スキルを覚えても使いこなすのに、さらに訓練が必要
  • 心が折れる人が出るほど死からの復活は辛い
といった感じで、ゲーム感覚で誰もが簡単に強くなれるわけではありません。
主人公たちはチートと言えるほど強くないためボス戦などは泥臭い戦いが多く、戦闘描写は比較的長めです。

解説が多くストーリーのテンポが悪いのは残念ですが、練りこまれた設定と汗握る戦闘は十分楽しめました。