書籍化した小説家になろう(web小説)系作品のレビューblog

小説家になろうやカクヨム経由で書籍化した作品のレビューを書くblogです。主に購入した書籍の中でも気に入った作品を紹介しています。たまに、書籍化していない小説家になろう作品も紹介します。

タグ:ヒーロー文庫

人から感謝されることを義務づけられた少年が異世界で大活躍。第2弾は美少女を救うために奮闘するのだが……。

シンがマンイーターを討伐してから三カ月経った。自分の力不足を痛感したシンはガルダから剣術の手ほどきを受け、その甲斐あって六級冒険者に昇級する。やがて、騎士団の魔物討伐の時期がやってきた。七級以上の冒険者の多くがボルディアナを出立し、それと入れ替わるにして、五名の騎士がボルディアナに配置された。その中にはダラスの村でシンが出会ったグランハートとミーシャの姿もあった。amazon内容紹介

- 1巻から2巻までの発売が長かったので、もう発売されないと思っていた「打算あり善行冒険者」の2巻。今回は、とある村の問題を解決するお話です。

「村人が困っていた→原因を排除した→ハッピーエンド!」といった一般的な流れではなく、惨劇の後始末と表現したらいいのでしょうか。間に合ったものと、間に合わなかった出来事があります。そのため、後味すっきりなハッピーエンドではなかったものの、「これはこれでありかな?」と思える程度でした。
さらに、ジル達の会話がいい感じに緩いので、悲劇的な内容もだいぶ薄まっています。

ラストにはシンの熱い(?)バトルもあるので、ある程度バランスのとれた内容だと感じました。2巻も無事に重版したようなので、打算あり善行冒険者の3巻もでるのかな?
この作品が続いている間は、シンとジルの成長を見守りたいなぁと思います。



アウラの懐妊? 瞬間移動成功? ビー玉量産? 新たな側室候補登場? ……と、大人気シリーズ第8弾は見どころ満載! ! ガジール辺境伯領から無事、王都に帰還を果たした 善治郎を待っていたのは、妻アウラの『妊娠の可能性大』という吉報であった。 amazon内容紹介

フレアと一緒に危機を乗り越えて善治郎とフレアの仲が急接近した理想のヒモ生活7の続きです。 この巻を一言で言うと「収穫回」ですね。

前巻みたいに大きな事件が起こりませんが、ガラス作り、方位磁針、瞬間移動といったアウラとゼンジロウの2人で試行錯誤していた研究や練習の成果が目に見える形となってでてきます。
またアウラの妊娠発覚と今後の体制についての準備、丸まるの船のテスト航海などストーリーは順調に進んでいきます。

収穫回って事件が起こらならいのでストーリーの起伏が少なくハズレの巻というイメージがあったんですが、理想のヒモ生活8はプジョル将軍のエピソードを読んで「今後もアウラは上手くやっていけるのか?」と不安になったり、フレアのテスト航海後の会話には恋愛っていいなと思ったりするなど、前巻と同じく非常に楽しんで読むことができました。

また唯一(?)の癒しキャラであるニルダが後宮に入ることが決まったので、後宮の話も本編とつながりが出てきて楽しめました。

アウラが妊娠して瞬間移動を覚えた善治郎は約束通り双王国に行くことになり、次巻以降の舞台は双王国がメインになりそうです。表紙もアウラ→フレアときていたので双王国のヒロインが表紙を飾るのかな? いずれにしろ次巻は近いようで遠い双王国が舞台になるので、様々な思惑や伏線が回収されそうで今から楽しみです!



過去には天才、麒麟児ともてはやされ期待されたライエルだが、
セレスによって屋敷では徐々に冷遇され軟禁生活を送っていた。
傷ついたライエルは、屋敷の庭に住み込む老人に助けられ、
宝玉のついた首飾りを受け取る。
老人が先代――ライエルの祖父から預かっていた、
【アーツ】が記録された青い玉は、ウォルト家の家宝とも言うべき物だった。
歴代当主七人のアーツが記録された宝玉を託されたライエルは、
それを持って屋敷を去るのだった――――。
amazon内容紹介

家から追い出され冒険者を目指す主人公ライエルと、それでもついてきてくれる元婚約者のノウェム。そして・・・冒険者になるために必要な費用のほとんどをノウェムにだしてもらいヒモ生活がスタートします!

序盤〜中盤まではヒモ&ヒモ世間知らずの状態が続くので、読者からすると「情けない!ストレスがたまる!」といった感想を抱くと思います。
実際、小説家になろうで連載していた時も序盤の感想は「主人公が世間知らなさすぎてイライラする」といった内容が多かった記憶があります。

イライラする人の気持ちもわかりますが、自宅で軟禁され人とほとんど交流しなかった主人公の背景を考えると仕方がないと思える部分もあるし、性格は真っ直ぐで戦う力がある分まだ救いがあります。
またサポートするメンバーも強力なのでどんどん成長するので強いストレスを感じるのは最初だけです。

1巻の後半からはちゃんと活躍しますし、純粋無垢な少年が社会の荒波にもまれ、歴代当主に呆れながらも諦めずに頑張る姿は自然と主人公を応援したくなります。またご先祖様のやりとりもこの作品の楽しみの1つです。

小説家になろうの連載からずっと追い続けていた好きな作品です。

世間知らずで考えの甘い主人公ライエルが成長していく物語。
話が進むにつれてどんどん面白くなるので1巻である程度楽しめたのであれば、次巻以降も必ず楽しめると思います。


ファンタジーの世界にずっと憧れて生きてきた少年。
彼は『エルダーズ・ソード』というゲームを気に入り、繰り返しプレイしていた。
特に気に入ったキャラクター・戦士ルオンを熱心に育てていた。
ある日、少年は突然、意識を失う。
――気がつくと、そこは『エルダーズ・ソード』の世界。
しかも彼は、ルオンになっていたのだ。amazon内容紹介
少しでもシナリオからずれてしまうと魔王が大陸崩壊させる可能性があり、また賢者の血を受け継いでいないため魔王にダメージを与えることができない。
そのような厳しい制限があるため、修行して手に入れた最強(?)に近い実力を隠し、ゲームの主人公だった人たちを陰ながら支える立ち位置で大陸を救おうとします。


よくある他の作品のように自由に生きたいから、異世界を満喫したいからといった自己中心的な考えのもと実力を隠す(しかもたいていの場合はすぐにバレる)のではなく、世界の行く末を考えた上で行動しているため主人公に好感が持てます。 

また魔王討伐の失敗=大陸崩壊が運命付けられているため、シナリオ通りに進めるために自由に人を救うことすらできず、そのことについて悩んだりするため人間らしさも表現されています。

1巻の序盤~中盤までは主人公の修行がメインのため、あまりヒロインとの会話がありません。
そのため1巻ではヒロインと出会って関係を構築して終わりという、キャラ作品としては少し物足りず、会話自体もなんとなく淡々としている印象をうけました。ただ天使は可愛い。

熱い展開!キャラの会話大好き!という人より、冷静に行動する主人公が好きな人は向いている作品でした。



大人気シリーズ第7弾! 善治郎とフレア姫が急接近! 女王アウラはどうなる……! ?

結婚式に出席するため、ガジール辺境伯領へとやってきた善治郎とフレア姫。
そこで待っていたのは、ガジール辺境伯家次女と名乗る少女ニルダだった。
アウラからの事前情報では、ガジール辺境伯家の娘はルシンダ一人のはず。警戒感を抱く善治郎。
その数日後に問題が発生する。ナバラ王国使節団の騎士ライムンドが、誤って立ち入り禁止区域に足を踏み入れてしまう。 その一件をきっかけに事はは次第に大きくなっていく。
amazon内容紹介
打算100%と少しの好意で側室候補No.1となったフレアとゼンジロウが急接近する話です。

男尊女卑が当たり前の世界では、女性を対等な人間として認めてくれる男性はいないと諦めつつも、自分が努力して身につけたスキルを素直に認めてくれる人(正当に評価してくれる人)を求めていたフレアの悩みやストレスは容易に想像がつきます。

女王アウラのように絶対的な権力はなく大人としての割り切り(諦め)もできず、北大陸に住んでいる頃からずっと、もがきながら苦しんでいたのでしょう。

そんな状況でトラブル解決のために一緒に行動した男性がフレアのスキルを正当に評価し、対等な目線で話すだけでなく、女性だからという理由で侮っていた敵に謝罪の言葉まで引き出してくれるゼンジロウに惚れない理由はないです。

相手の心の隙間を綺麗に埋めて惚れさせるゼンジロウのテクニックに脱帽です。
これが女性に貢いでもらうためのヒモのテクニック!
 
最近はインスタントラーメンのごとく、すぐに主人公が強くなりヒロインが惚れる作品が多いなか、じっくりストーリーを進めてくれるこの作品は非常に好感がもてます。

それにしてもゼンジロウに惚れた後のフレアの男性的なアプローチ(?)には地味に驚きましたが、非常に良い。アウラ派からフレア派に乗り換え決定です。


北大陸訪問、双王国訪問、第2子出産、第3の側室問題など、まだまだ解決するべき問題が山積みなので次巻以降も非常に楽しみです。

早く8巻出ないかな。

 

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