「帰っておいでよ、ヴェーレス」前巻のラストの死闘から生き残ったメンバーには確固たる絆が残ったが、ただ一人地上に残ったため、同じ任務に参加したのにも関わらず絆を作ることができなかったライラ。
合同調査から戻ったケータに、四天王の一人である百獣族の族長ベスティアリは告げた。
その勝手な言い分に、怒りながらも心がざわめくケータ。
そんな折、フレッドフォード召喚学院は、年に一度開催される創立祭の準備に沸いていた。
成績上位者のみが参加を許されたイベントの華――精霊召喚タッグトーナメントで、
優勝を目指して闘志を燃やすイリスたち。
それを尻目にケータは、光の勇者や“白の腕"が賓客として集結するその日こそ、
元の世界に還る糸口が掴めるのではないかと意気込むのだが……。amazon内容紹介
何かを得た人間と失った人間に分かれる結果となり、2巻はその問題が表面化し解決のためにケータが活躍するのがメインのストーリーですが、魔王から戻ってきてほしいとお願いされたり、勇者や白の腕といったメンバーとの遭遇などといったイベントが目白押しです。
召喚タッグトーナメントの攻略方法が若干無理やりな感じがして違和感を覚えましたが、イベント多く中だるみもなく楽しく読み進めることができました。
また主人公が魔族サイドだと勇者はヤラレ役で終わってしまうことが多いのですが、この作品ではほどよい強さを発揮してくれたのも良かったです。
いくら主人公と敵対しているからといって、非人道的な性格だったり実力が伴わないような勇者は興ざめですからね。
ヴェーレスとイリアの会話やライラの葛藤といったようにヒロインたちにも見せ場があり2人とも応援したくなります。本命は魔王さまなんですけどね。
あとがきに売り上げ次第で2巻で終わるプロットを用意していたことが書かれていたので、売り上げ次第では3巻で打ち切りも十分ありえそうですが、読みやすくまたキャラクターやストーリーも面白いため、売り上げを伸ばして3巻、4巻と発売し続けてもらいたいと期待しています。